ブラック企業の見分け方:転職するとき

転職を考えている先の会社がブラック企業なのかホワイト企業なのか、とても気になるところです。

ゆっくりと考えて、転職先の会社を観察する時間があればいいですが、退職から転職まで時間がなく、余裕がなく、難しいときもあります。

そんなときでも、事前準備面接の時にこれだけは、という点を抑えました。

自分の勤めている会社がブラック企業かどうかは、別記事「ブラック企業の特徴」で、説明しました。これは、社内にいては、なかなか気付かない会社のブラック度を見たものです。

今の会社にしても転職先にしても、最重要なのは会社を構成する「」です。

事前準備と面接時に注意するブラック企業度について見ていきましょう。

ところで、ブラック企業の定義があるのでしょうか?国は説明しています。

「ブラック企業」ってどんな会社なの?

事前にブラック企業度を調べる

常に求人を出している

ハローワークの求人票、求人誌などにいつも求人が出ている会社は、ブラック企業の疑いがあります。

求人に、というより人材に金をかけない、という傾向がブラック企業には見られます。

有料の求人サイトを利用すれば、より効率的に有能な人材を確保できる可能性が高いことは、いまは、みんな知っています。

ハローワークや求人誌は安く求人を出すことができます。しかし、そのことが、ブラック企業の利用が多いという指摘もあります。

別記事「ハローワークとは

全社員の2~3割の人数の求人数がある

これも、ハローワークの求人票、求人誌で確認できます。たくさん求人する、たくさん採用する、たくさん退職する、の繰り返しで、まあ、ブラック企業です。

面接で話題になり、「業務好調で業務拡大のため。」という面接官の説明だったら、「研修」について突っ込んで聞きましょう。新規開拓分に教育もなく叩き込まれたら悲惨です。

求人の月収が20~50万円などのように、幅が弘すぎる。

これも、ハローワークの求人票、求人誌などで確認できます。

このような場合、示してある最低額が給料と考えて入社したほうがいいでしょう。プラスアルファは過大な残業代とかで、ブラック企業度を上げる要素になってるかもしれません。

ホームページの中身がない

これだけで、ブラック企業とは言えないかもしれません

しかし、今どき、ホームページがない更新されていない、更新されていても中身が薄い、など、社会的責任を果たす気があるのか、と言われてもおかしくないでしょう。

入社を考える人のほとんどが、見るであろうホームページを整備していないことは、ブラック企業かどうか、の以前の問題かもしれません

経営がワンマン、一族

中小企業では、よくある経営形態です。

これがイコール、ブラック企業ではないのですが、ブラックし始めたら止まらないですし、外部にブラック企業化の情報も出にくい構造です。

口コミサイトで情報が拾える場合もあります。業界通の知人がいたら聞くのが一番早いです。

強いリーダーシップによって、どんどん伸びていく会社もありますので、面接時に社長や上層部をよく観察しましょう。

外から見て、何をしている会社かわからない

事前に会社の周りを回って、中で何をしているかわからない会社だったらブラック企業を疑ってもいいでしょう。地域社会にも溶け込んでいない可能性もあります。

ときには、外から中の様子が全く見えず、人の出入りだけはあるが何の仕事をしているかわからない会社があります。秘密工場か!

グーグル・アースホームページの会社案内を見くらべて、活動のイメージが湧けばブラック企業度は少ないと言えます。

インターネットの口コミ情報が悪い

ある程度の規模にならないと、インターネットの口コミには載らないので調べられません。地元の中小企業を受けようとするときは役に立たないかもしれません。

しかし、中小企業でも載っていて、それが悪い口コミだったら要注意です。

面接の時に確認する

面接は、会社が採用するだけにあるのではありません。あくまでもマッチングの場ですから、採用される側も面接の時には、その会社や社員を観察しなければなりません。

面接の時も、積極的に質問することをお勧めします。

「あなたからなにか質問はありますか?」と尋ねない。

たいてい、面接の最後の方で、このように尋ねられます。これさえもない会社は、面接官が慣れていないか、社員を消耗品としか考えていな可能性があります。

ただ、質問を忘れているだけかもしれません。

面接で、「いい会社かも」と思ったら、自分から、「2,3聞きたいことがあるのですが」と切り出していいと思います。

いい会社だったら、面接でのあなたの評価は上がりますし、ブラック企業だったら面接官がイヤな顔をします。

御社の平均勤続年数は何年くらいですか?

ちょっと聞きにくい質問です。本当は、「ここ2,3年で退職された方は何名おられますか」と聞きたいところですが、直接的すぎますね。

離職率が高い会社はブラック企業というのが定説で、社員を消耗品としてしか見ていない可能性があります。

入社、2,3年目の先輩は何名おられますか?

前の質門に代えて、これでもいいでしょう。これなら、最近入った先輩にいろいろ聞きたい・・というような感じで質問できます。

ブラック企業は入社後すぐに退職する社員が多いため、入社2,3年の社員が少ないという傾向があります。

常に求人を出している会社で、入社2,3年目の社員が少ないのは、なにか問題があるのかもしれません。

課長さんは何歳ぐらいの方が多いのですか?

これも、単なる自分の興味、という感じで聞けます。

突っ込まれたら、「直属の課長さんには、どんな人がおられるのか興味があります」とかわせます。

課長が若すぎるのは、力もないのに昇進させられて、責任ばかり取らされる会社の場合もあります。

もっとひどいのは、平社員が1~2割位しかいない会社。あまりにもいびつな社員構成で、新規採用ができないか、してもすぐ辞めていくか、辞めさせられるのか、のいずれかです。

どのような研修をされていますか?

ブラック企業は、会社としていちばん大事な人材育成に金をかけない、という傾向があります。

採用、即戦力、ハイ潰れた、というパターンです。

戦力になるには時間と金がかかる、ということを全く理解していなのが、ブラック企業です。

「一人前になるには時間がかかる。」と言っているが、金をかけないでOJT任せになっている会社もブラック企業です。(「社員はほっておいても育つ」という考え)

この質問をして、面接官がイヤな顔をしたり、答えを濁すようなら、あなたから入社を断ったほうが賢明です。

外部の研修やセミナーなどへの社員の参加実績は?

人材育成は、会社内部だけではできません。会社文化が暴走してブラック企業化する恐れがあるため、常に社会的な変化を身につける必要があるためです。

この場合の「研修」「セミナー」は、職務の専門分野以外のものです。例えば、自己啓発とか人権についてとかのテーマです。

職務の専門分野の場合、年間で受けるものが義務になっていたり、社員を研修がポイントになっていて、営業で有利になったりする理由から社員に研修させています。

もし、面接官が社員研修について、親切に実績も踏まえて説明してくれて、内部研修と外部研修のバランスが良ければ、ホワイト度はかなり高いです。

研修の必要性やこれからの研修については、「アフターコロナの社員教育」で説明しています。OJTの意味がわからない人は、ぜひ、みてください。

テレワークには対応されていますか?

対応している、一部対応している、との答えだったら、
「その場合、自宅パソコンは会社支給でしょうか?」も質問してください。

デスクワークのサービス業なら、今の時代、対応していないのはブラック企業を疑ってもいいでしょう。

自宅パソコンの質問は、費用もですが、セキュリティをどのように考えているかが回答でわかります。

新型コロナウイルスは、長期戦になる模様です。これまで対応していない、これからの対応も鈍いでは、ブラック企業かどうかよりも、自分の命に関わってきます。

デスクワークばかりでなくても、新型コロナウイルス対策はなにかやっているはず。
答えられないようなら、採用後、マスクだけを渡されてウイルスの中で仕事をするはめになるかもしれません。

面接官の会社説明が具体性に欠けている

「とにかく、明るくて元気な会社です」
「みんな仲がよく、和気あいあいとした会社です」

宗教の勧誘ではあるまいし、社員の多様性を認めている会社なら、こんな説明はありえません。

(これから後は、面接の時に観察する項目です)

採用面接で即、内定

今の時代、ありえないでしょう。超売り手市場になれば別ですが。
とにかく、社員の人数を確保したいのでしょう。

面接に社長が出てこない

必ずしもブラックとは言えませんが、大企業でもない限り社長が面接をしてほしいところです。

面接官から「社長は今日、都合が悪くて」とかの言葉がなければ、ブラック度は高いかもしれません。

研修も一緒ですが「企業は人」と思っていなくて「社員は使い捨て」という考えが経営層にあるのかもしれません。もしかすると、社長を面接に出すと採用を断られた、という経験があるのかもしれません。

トイレが汚い

面接の時、トイレを借りましょう。
トイレが汚い会社はブラック企業の可能性が高いです。

トイレばかりでなく、社内の整理整頓や掃除の具合など、過度にきれいな必要はないのですが、最低限のことはされていないと、労働安全衛生管理などもいい加減な可能性が高くなります。

会社の入り口に違和感がある。

入り口、玄関は会社のです。
ここが悪い意味で違和感があれば、ブラック企業であろうとなかろうと、あなたと合わない可能性があります。

まとめ

転職の際は、心と時間に余裕がない場合が多く、早く決めたいというのが人情です。

しかし、わずかな時間と手間を惜しんだばかりに、ブラック企業に務めて、数年間を無駄に過ごし、また退職してしまえば元も子もありません。

ブラック企業と気づいて、退職という選択肢を考えつけばいいですが、気づかずに飼い殺されて、歳を取っていく人も多いのが現状です。

こんな時だからこそ、心と時間に無理矢理にでも余裕を作り、考えて行動しましょう。
それも難しい、という人は、民間の転職サイトに登録してみましょう。

転職サイトの利用のコツは、あなたにとって「いい担当者」に当たるかどうかです。

自分のことですから、相手に悪いと思わずに複数のサイトに登録して比較することをおすすめします。

いくつか紹介します。この他に専門職に振った転職サイトなどがあります。

リクルートエージェント:業界トップクラスの求人数

『dodaエージェント』は、国内最大級の転職エージェント
(doda:デューダと読みます)

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