国民健康保険へ切り替えてみた

会社から退職して、独立すると、あるいは失業すると、まずすることは健康保険の切り替えです。

これから、何をしようか、転職はどうしようか、失業保険をもらう手続きは、とか、大事なことはたくさんありますが、健康保険の切り替えを!と頭が指示を出します。

それほどまでに、国民皆保険制度は浸透していますし、健康保険証は、身分証明書としてもポピュラーなものです。

私も、退職して、フリーの身になった初日に切替えに行きました。

国民健康保険の加入に市役所に行く

持っていくもの

持っていくものは、印鑑、資格喪失証明書、運転免許証、マイナンバーがわかるものです。

その他に、前年の所得のわかるもの、源泉徴収票など、扶養家族の分も合わせて持っていくと、保険料の支払いの説明を受ける時、便利です。

印鑑

認印で大丈夫。シャチハタはダメです。

資格喪失証明書

正式名称は、「健康保険被保険者資格喪失証明書」で、前の会社から送られて来ます。
これでなくても、退職証明書、離職票のいずれかでもいい市区町村もあるようですが、この二つは、資格喪失証明書より手に入るのがあとになります。

運転免許証

手続きに行く本人確認ができるもので、パスポートや敬老パスなど顔写真付きのものです。マイナンバーカードでもOKです。
顔写真付きでない場合は、交付はその日に受けられず、後で送ってくるそうです。

マイナンバーがわかるもの

マイナンバーカードかマイナンバーの通知カードです。これは、世帯主と加入する人のマイナンバーがわかるものです。

本人以外が手続きする場合

正式には、別世帯の人が手続きするときです。10万円給付金でも感じましたが、そろそろ「世帯主」という考えをやめる時期ではないでしょうか。

持っていくものは、資格喪失証明書、手続きに行く人の本人確認書類、加入する人の世帯主及び加入本人のマイナンバーがわかるもの、委任状です。

窓口へ行く

窓口は市区町村の国民健康担当の窓口です。私の場合は、市役所のその名もずばり、「国民健康保険課」でした。

手続きに行ったのが、年度替わりの4月1日だったので、待ち時間が、すざましいかな、と思っていました。

確かに、住所変更の手続きや住民票の窓口はごった返していましたが、国民健康保険の窓口は、待ち時間30分くらいで順番が回って来ました。

手続き自体は、提出するものを出して、説明を聞いておしまいです。

その場で渡されます。

前の社会保険の時は、入社して、手続きして送ってくるまで2週間ほどかかりました。少しでも早く手に入れるには、年金事務所に手続きに行く必要があるなど、めんどくさいものでした。

今回も交付まで時間がかかるのではないかと、ある程度、覚悟はしていたのですが、手続き完了後、10分くらいで渡されました。

社会保険の健康保険証は、クレジットカードのようなプラスティックだったのですが、国民健康保険証は少し厚めの紙です。
二つ折りにすると、ちょうどクレジットカードと同じ大きさになるので、持ち運びに不便はありません。

擦り切れが怖いので、クリアパックを切ってケースを作りました。

説明を聞き逃さない

窓口では、制度や支払い方法、支払額の概算を計算してくれるほかにも、いろいろ説明そしてくれます。

支払いの軽減措置や高額医療費の特例措置、減額された保険料から更に減額になるものなどの説明を受けます。市区町村によって違うようです。

聞き逃さないようにしましょう。

保険料の支払い

正確には、保険料でなくて、国民健康保険税です。

会社で入っていた健康保険は、半分、会社が負担してくれていましたが、国民健康保険は、全額自分の負担です。

窓口で、保険料の支払額を概算で計算してくれます。まあ、今まで払っていた分の大体倍ですね。

このあたりも、社員を会社にしばりつけておく政策の一つなのでしょうか。

国民健康保険税の支払いは、口座引き落としや市役所や銀行、郵便局の窓口、コンビニなどで支払うことが出来ます。これは、市区町村によって違うようです。

最近は、インターネットバンキングやペイジーにも対応していますが、銀行や郵便局の引き落としが一般的でしょう。

納税通知書が6月中旬に送られて来ます。
1年分の国民健康保険税を6月から3月までの10回で納付する仕組みになっています。4月5月はお休みですね。

支払い保険料が安くなる

所得や生活状況により、国民健康保険税の支払いが軽減される場合があります。低所得世帯や倒産・解雇で離職した場合などに適用されます。

このほかにも、市区町村で減免制度がある場合もあるので、手続きの時に聞き逃さないようにしましょう。

これらの措置を受ける時は、自分から申し込みが必要です。
ここでは、私が受けた特例措置を説明します。

倒産や解雇ばかりが減免の対象ではない

私が受けた軽減措置は、非自発的失業者に対するものですが、次のような理由で退職した人が対象です。

これは、ハローワークでもらう雇用保険受給資格者証の離職理由に書かれている番号で判断されます。

  • 11,12・・解雇された
  • 21,22・・会社都合による雇い止めによる離職
  • 31,32・・正当な理由のある自己都合退職
  • 23 ・・・特定理由の契約期間満了による離職
  • 33,34・・正当な理由のある自己都合退職

これも、市区町村によって違うかもしれませんので、窓口に確認しましょう。
よく聞かないと、わからないですよ。私も説明を聞いた時に、もしかしたら自分も対象かな、とうっすら思ったくらいです。

会社が倒産した、首を切られた、移転や介護で通勤できなくなった、健康上の理由で仕事が続けられなくなった、残業が多くて仕事がキツくてやめた、などなどあります。

ポイントはハローワークで出す雇用保険受給資格者証に基づいて決められることです。

ハローワークに雇用保険の申請をする時に決まりますが、退職する時に、退職理由まで考えている余裕はないですよね。そのようなことは、誰も教えてくれないですし。

でも、国民健康保険の支払いばかりでなく、失業保険についても有利になりますので、普段から勉強しておくべきです。私の反省点です。

ハローワークに行く前なら、まだ打つ手があるかもしれません。

詳しくは、「失業保険の手続きを有利にすすめるには」にまとめてあります。

減免申請した結果

特例措置を受ける手続きは、簡単なものです。必要書類を書いて、印鑑ついて、マイナンバー確認して、雇用保険受給資格者証を見せて、で終了です。

審査はないです。雇用保険受給資格者証の離職理由番号が全てです。

これで、私の場合、支払額がだいたい三分の一になりました。
非常に助かりました。

期間は、「離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末まで」です。
令和2年3月31日(令和元年度)に会社を辞めたら、令和2年4月1日(令和2年度)から令和3年度末(令和4年3月末)まで、ということで実質2年間になります。

もし、3月30日に会社を辞めてしまうと、実質1年です。これも、説明を聞くまでわからないですね。知っていると知ってないでは、全く違います。

さらなる減免もある

私の市では、前の年にくらべて、所得見込みが7割以下になる時は、更に減免があります。

所得が7割以下になると、さすがに生活できない状態になるので、これはないだろう、と検討しませんでした。

健康保険の種類

最後に健康保険の種類を説明します。

国民は何らかの「健康保険証」を持っています。これを病院などで提示して負担額が安くなります。

大きくわけて、健康保険と国民健康保険があります。そのほかには、船員保険、共済組合などがあります。

健康保険

健康保険は、会社員などが加入する保険です。社会保険ともいいますが、社会保険は正確には社会保険は医療、年金、介護、労災、雇用保険の総称です。

大企業はその企業の健康保険組合を作っていることが多く、これを組合健保と呼び、中小企業は「協会けんぽ」に加入することが一般的です。

保険料の支払いは、加入者と企業が折半しますので、国民健康保険にくらべて、同じ収入なら負担が少なくてすみます。

会社を退職した場合、国民健康保険に加入するか、継続してこれまでの健康保険に加入するか選ぶことができます(継続期間は2年間まで)。
この場合、会社の負担分はなくなりますので、保険料は、ほぼ倍になります。

国民健康保険

国民健康保険は、自営業やフリーランス、農業漁業従事者など、健康保険に加入していない人が対象です。窓口は市区町村になります。

国民健康保険は被扶養者という考え方を取っていないため、家族が多くなればなるほど、1世帯の保険料は高くなります。また、健康保険とは違って、全額負担になります。

医者にかかる時の負担は変わらないとはいえ、支払う保険料には大きな差があるのは納得がいかないところもあります。

まとめ

会社を退職して失業者になったり、独立起業したりすれば、いままで慣れ親しんだ健康保険(社会保険)を離れて、国民健康保険に加入することになります。

切り替えの事務手続きは、それほど難しいものではありません。
しかし、減免措置などは特に注意しておかない限り、見落としてしまう可能性があります。

しかも、有利に利用するためには、事前に、例えば退職の半年前とかから準備して行動する必要があります。しかし、普通、そこまで出来る人はいません。

ですので、普段、なにもないときから、知識として頭の隅に置いておくのが、とても大事だと感じました。

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