退職のやり方

新型コロナウイルスで、労働環境は一変しそうです。どのように変わっていくか、誰もわかりません。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の前から、同一労働・同一賃金パワハラ防止法の取り組みなど、知らない間に、一歩一歩変わっています。「パワハラ防止法とは

そんな中、私は2020年の4月に退職になってしまいました。この年の1月までは、そのつもりは全くなく、自分の人生の予定にも組み込まれてなかった退職でした。

退職をしようと決心してから、いろいろと調べましたが、知らないことばかりでした。

退職の手続きはもちろん、こんな会社にいたらダメだ、こんな人が上司だとあなたの未来はない、すぐに退職すべきだ、という記事がたくさんあります。

働いているときは見ても頭に残らなかったのですが、いざとなると心に突き刺さるものばかりです。

まず、あなたの職場環境を見直しましょう。気がつかないだけでブラックじゃないですか?
次に、退職のやり方の手続きについて説明しています。

退職をやってみてわかりましたが、エネルギーと時間を浪費します。退職を決心したのなら、退職代行サービスのような専門屋に頼るのも一つの道です。

私、退職しました。

退職理由は、上司と意見があわなかったこと。あわないといっても、仕事のやり方や経営方針などだったら、議論のあとで上司の判断に従えば問題ありません。退職の契機になったのは、コンプライアンス的に<?>だったこと。
これだけは、この一線を越えたら、というものが皆さんにもあると思います。それでした。

ブラック企業で社畜化されていると、この「これだけは」というものも見えなくなってしまいますが、このときは見えてしまったのですね。

退職は急にやってくる。

よっぽど自分の人生設計に転職を組み入れている人以外は、退職は急にやってきます。有利に退職するための準備期間なんてありません。

私が退職に至るまで、いろいろ壁にぶつかりながら試行錯誤しました。そうすると、実に自分の思うようにならないのです。法や制度、つまり、お上は労働者を向いていないのです。これはショックでした。

国の視点は「良質な労働力を安定して作り出すにはどうすればいいか。」です。

あした、あさって退職しようとする人間が、いまさら気づいてどうなるものではなかったですね。
会社に住んでいる間は知らないこと、いや、知ろうとしなかったことも多いですね。

退職のやり方にインターネットは役立つのか


いざ、退職しようとなって、退職のやり方などを調べると、弁護士や司法書士、社会保険労務士の方などが書かれたものが多くでてきます。法律はこうだ、手続きはこうだ、わからないときは我社へ相談を、というサイトです。

それは正論ですが、いざ、退職に踏み切ろうとするときは冷静に考える時間もないし、書かれているような対応には、制度の勉強や準備に1年も2年もかかりそうです。

そんな前から退職しようと準備を進めながら働いている社員なんてほとんどいないと思います。

退職になる前に考えること

会社勤めをする人なら、だれしも「よし、この会社はいつ辞めてやろう」と考えながら働いてはいません。

お客さんのこと、仕事の段取りのこと、人間関係のことなど、どうすれば良くなるか、売り上げが伸びるか、など考えながら働いています。

今日よりも明日が必ず良くなる、そう信じて働くことで会社も成長し、自分も成長し、何より働きがいも出てきます。

でも世の中には、ブラック企業や超ブラック企業が存在します。問題は、そんな企業の中にいても、社員は自分の会社がブラック企業だとは気が付かないことが多いのです。

私も退職を考えてから、社員が自分の会社をチェックすべきだと考えるようになりました。

あなたの会社は、次のような会社ではないですか?もしそうだったら、退職のやり方をすぐ考え始めるべきです。

こんな職場環境なら退職すべき

職場環境には、会社の組織としての問題と人間関係の問題があります。

ここでは、その二つについて簡単に説明します。しかし、退職を考えないといけない職場環境については、深く考えてほしいのでぜひ下の記事も見て下さい。細かく説明しています。

ブラック企業の特徴|あなたの会社はいい会社?それともブラック企業?

こんな会社なら退職しよう

社員が自ら搾取されている

サービス残業や休日出勤が常態化するなど、社員が社畜化し、搾取されていることすら気づかない会社になっている。

社会の変化に対応していない

性別による仕事や賃金の差がある、テレワークなど新しい取り組みをしないなど、変化する社会環境に対応しない会社である。

社員を人間としてみていない

社員は気が付かないだけ、人間として見られていませんよ。利益を社員に還元しない、給料やボーナスをカットするなどあったら要注意です。

こんな人が近くにいたら退職しよう

会社の環境以上に重要なのが人間関係です。これから説明する人が上司や事業主だったら、すぐにでも退職のやり方を考え始めることを進めます。同僚だったら近づいてはいけません。

愚痴ばかり言っているネガティブな人

愚痴ばかり言うネガティブな人はみんなのやる気を削いで、会社の元気を奪います。

感情的になりキレる人

災害レベルに避けなければならない人です。感情的にキレて大声で威圧して言うことを聞かそうとします。おもちゃを買ってもらえない幼児が泣き叫ぶのと変わりません。

上司がこのタイプだったら、すぐに退職のやり方を考え始めましょう。事業主だったら退職代行サービスにすぐに連絡することをおすすめします。

あなたの時間を喰う人

調べれば分かる話を質問してきて、だんだん「自分でググれ!」と言いたくなる人です。あるいは、自分の考えばかりを一方的に延々と話す人です。時間泥棒です。

こういう人は、自分の都合で話しかしない人です。感情的にキレる人や、マウントを取らないと気がすまない人と比べると、被害は少ないですが、これらの二つ以上の特徴を持っている人も多いので要注意です。

マウントを取らないと、とにかく気がすまない人

こういう人が上司なら即、配置転換を申し出ましょう。事業主ならすぐに退社のやり方を考え始めましょう。

マウントを取るのに理由はありません。部下が自分より優れていることを許さない権力大好き人間です。

自分は悪くないけれど、なぜか謝らないといけない時ってありませんか?そんな場面に遭遇したら気をつけて下さい。狙われています。

サイコパス

サイコパスという言葉は中野信子さんが同名の本を出されてから一般にも広く知られるようになりました。

「サイコパス」~中野信子~文春新書

サイコパスは一見、普通の人と見分けがつきないどころか、魅力的に見える人間も多いといいます。深く付き合うと、人生がめちゃくちゃになってしまいます。見分けるのは簡単にはできませんが下を参考にして下さい。

  • 人の不幸の上に、自分の幸福を平気で築こうとする人。
  • 他人から搾取する人。みんなの努力の上にタダノリする人。
  • 共感性のない人。人の痛みがわからない人。身近な人が悲しんだり嬉しがっても無関心な人
  • 一見魅力的で、仕事ができそうなところがある人。実際できる人
  • プレゼン能力が高く、人に自分をいい人であると思わせるワザに長けている人
  • 世の中、自分が中心で、他人を操ろうとする人。他人を操る能力も高い人。
  • 口がうまく、自慢話が多い人
  • 自分は悪くないという態度を変えない人。そのためにはウソをついても平気な人
  • 結果を重視して、結果のためには手段を選ばない人
  • 良心は無いに等しい。他人に迷惑をかけようとも平気な人
  • 刺激がないと耐えられず、自分から危険な行動に出る人

私は、「サイコパスとは、非常に狡猾なDV加害者が社会的に活動している形態」と個人的に定義しています。

まとめ

当てはまるものがありましたか?頭を休めて冷静に考えて、自分の会社や上司を判定して下さい。

特に、感情的にキレる人、マウントを取る人と付き合うのは疲れます。

あなたの能力が上なら徹底的にあなたを邪魔しに動きます。叩き潰すこともできるでしょうが、時間とそれに伴う犠牲を考えると、あなたには何の特もありません。

会社だけがあなたの生きる場所ではないことを考えて、逃げ出すことがベストです。もし、サイコパシーの高い人が近くにいても同じです。考える能力を奪われる前に動きましょう。それが、あなたとあなたの家族のためです。

退職を考えても、すぐには退職できないのも確かです。仕事の引き継ぎや人間関係もありますし、「円満退社」がベストですし、他人からはよく見られたいですしね。

それでも、これまでに述べてきた条件にいくつか当てはまるようなら、退社を考えて行動すべきです。やり方はあります。退社を頭の中に入れて行動しないと、事態は悪化するばかりです。

ただ、次のような人は退職の仕方を考える必要はありません。
・今はブラックだが、自分の力でこの会社を素晴らしい会社にするんだ、と燃えている人。
・社畜最高!何も考えなくていいし、忙しいときは忙しいけれどヒマなときはヒマだから、言われたことさえすれば生活できるし、何も問題ない。

退職は個人の自由

退職届はいつ出せばいいのか

退職を会社に申し出ると、簡単にやめさせてもらえない、損害賠償を請求されると思っている人がいます。

実際に色々難癖をつけて辞めないようにしたり、「損害賠償するぞ」と脅される場合もあると聞きます。

しかし、退職は、原則、個人の自由です。はっきりと言えます。憲法にも職業選択の自由が認められています。次のような手続きで問題ありません。

・辞める日の2週間前までに、意思表示をする。退職届の提出でなくても口頭でもいいが、意思表示をしたという証拠を残すためには、メールなどを使う。

ただし、会社とトラブルなく退職するには、次のようにするのがベターです。

・就業規則に定められている期間(たいていの会社は1ヶ月だと思われます)で退職の意志表示をする。

退職までの期間は、残務整理や引き継ぎに使います。有給休暇の消化も考えて計画的に過ごします。

退職の意思を示した時の会社の反応

あなたやあなたの上司によって反応は様々だと思います。次のようなパターンが考えられます。

強引な引き止めを受ける

これは、「在職強要」という用語があるほど、一般的のようです。

退職届を受け取ってもらえない、次の人が見つかるまでやってくれ、やめたら損害賠償する、などなど。

これには、クールに対応しないとズルズルと辞められなくなります。

こうなる場合は、あなたが社畜化している場合がほとんどです。

残業や休日出勤も自分からやってくれるような会社に都合のいい職員が「退職する」わけですから、上司のポイントは落ちるし、新たな社畜を育てるのに時間もコストもかかります。

快く送り出してくれる

引き継ぎなどする期間や内容を話し合い、それが済んだら快く送り出してくれる会社です。

いわゆる「円満退社」というやつですが、職場環境に悩んだ末の退職なら、ほとんど望めません。

逆に、こういう対応をしてくれる会社なら、あなたが思うよりいい会社だったのかもしれません。

すぐに了承してくれる

「そうか」とだけ言って退職が認められる場合です。これが一番いいようですが、私は最もブラックな企業だと思います。

引き継ぎや、残務整理の打ち合わせもないわけですから、退職を切り出す前の一定の期間、あなたには仕事が与えられていなかったことになります。

2020年6月からのパワーハラスメント防止にもある、「嫌がらせのために仕事を与えない」「人間関係からの切り離し」をされていたのではないでしょうか。

この場合、上司やその上がサイコパスやマウントを取らないと気がすまない人の可能性がありますので、退職した後も嫌がらせを受ける可能性も頭に入れておいたほうがいいのかもしれません。

このような状況であると感じたときは、先手を打って退職代行に依頼するのも一つの有効な方法になります。

注意を要する人

これまで書いてきた、退職の意志の示し方や、そのタイミングなどは、「期間の定めのない」契約をしている、ほとんどの労働者で使えますが、下に該当する人は扱いが違いますので注意が必要です。

  • 期間の定めのある雇用契約の場合
  • その中でも専門的スキルのある人
  • 60歳以上の人

このような人は、知的レベルも高いでしょうから、自分で調べるなり、弁護士に相談して行動を決めるようにしましょう。

会社都合退職とは

退職の理由には、よく聞く「一身上の都合」に代表される「自分都合退職」と倒産や事業縮小などで一方的に退職させられる「会社都合退職」があります。

会社都合退職の場合、自分都合退職に比べて失業手当をもらう時に有利になりますから、一方的に退職させられた場合、あるいは早期退職に応募して退職する場合など、会社と話をして会社都合退職になっているか確認しましょう。

これは、退職後に会社が出す、離職票の退職理由に書かれます。

退職届の書き方

退職の意思を会社に知らせる場合、「退職願」より「退職届」のほうがいいでしょう。
自分都合退職の場合のテンプレートとしては、

「退職届
この度、一身上の都合により、令和◯年○月○日をもちまして退職します。
令和◯年○月○日
(所属)(役職) (名前) 印
(会社名)代表取締役社長  (社長名) 殿」

といった感じで、極めてシンプルです。

会社都合退職の場合、退職届は必要ないという説もあります。事務処理上出してくれ、という場合もあります。

会社都合退職の退職届は、「一身上の都合」の部分が「退職勧奨」などになります。

退職理由が会社と違う場合

円満退社でなく、例えばハラスメントを原因で辞めざるを得なくなった場合は、自分が会社都合退職で退職届を出しても、会社は自分都合退職と主張する場合があります。

この場合、離職票の退職理由が異なる、ということになります。最終的には、事情をハローワークがヒアリングしてハローワークが判断します。
離職票にはちゃんと、退職理由を書く欄が二段あるので、それぞれの主張が違う場合も多々あるのでしょうね。

私の場合、会社の理由と自分の退職理由が違いました。違う場合、ハローワークは退職した人に資料の提出を求めます。この資料作成が個人には普通に無理です。

例えば、パワーハラスメントを受けてそれを理由に退職に追い込まれた場合を考えてみます。

証拠を押さえるため、何ヶ月にわたってICレコーダーや動画を蓄積しなければなりません。それが、パワーハラスメントに当たるのか、自分で検証する必要もあります。

そんなときには、精神的にも厳しい場合も多いでしょう。そのなかで何ヶ月も前から準備をしなければなりません。退職を考える人間は、普通そこまでは出来ないでしょう。それよりスパッと退職したほうが時間とエネルギーの節約になります。

ちなみに、パワーハラスメント等で精神を病んだので、仕事ができなくなったという診断書を取って、それを理由に会社都合退職にすることも難しいです。

ハローワークの判断は、例えば、
「適応障害で仕事ができないので退職を要する」
と診断書が出されても、
「それはその時のあなたの状態を示すものであって、パワーハラスメントが原因であるというものではない」
というものです。まあ、妥当な判断ですが、相当、厳しい気もします。

会社都合退職にならない最大の理由は、個人が作った資料を元に、ハローワークが会社を調査します。といっても、聞き取りだけらしいですが。

自分が不利になることを認める会社があるはずはないですよね。

離職票の理由が退職した人と会社で理由が違った場合、退職した人の理由がそのまま通ることはないと考えたほうがいいでしょう。

退職した後どうなったか

退職届が受理され、退職日が過ぎれば、会社がハローワークに離職票の手続きをします。離職票が送られてきたら、それを持ってハローワークに行って雇用保険(失業手当)の手続きをしたり、求職活動に入ったりします。

私の場合、円満退社でなかったので、退職した後も、いろいろと大変で、なかなか求職活動に入れませんでした。

退職代行サービス

私が退職しようと決めたときは、退職代行サービスについてよく知りませんでした。

退職に関しても対立していましたので、退職に至るまでも大変でした。

いま考えると、時間とエネルギーの膨大な浪費だった、と思います。家族にもたくさんの心配と迷惑をかけました。

いまなら、「自分都合退職」にして、退職代行サービスに依頼して、退職する会社のことは考えないで、新しい人生に向けて考えを切り替えていたと思います。

ちなみに、退職代行サービスは、退職の相談にのってくれたり、あなたに代わって勤務先への退職通知などしてくれて、上司や会社と連絡を取ることなく退職できることも可能です。

値段も3万円位からと、効果を考えるとリーズナブルです。今の職場から逃げて新しい生活を目指すのに使わない手はないサービスでしょう。

まとめ

今は、昔みたいに同じ会社にしがみついている時代ではないです。

国がすすめる働き方改革や同一労働・同一賃金の行く先は、劣悪な会社に潰れてもらって、いい会社を残そうという考え方でもあります。

このような変化の中で、ブラック企業にしがみつく意味はありません。ブラックに耐えれば給料をもらえるという理由だけで、働き続けると、あなたが社畜としてブラック企業を支えていることにもなります。

法律や制度は、決して働く人の味方ではありません。しかし、より良い労働力を育てようとする方向に向いています。自分がより良い価値を世の中に提供しようとするなら、それは追い風です。

そのためには、自分とその環境を見直す時間と頭の余裕が必要です。

勉強する余裕も必要です。

この記事を読んでもらって、「あれっ!」と思ったら、考えて下さい。
その結果、あなたの会社が素晴らしい会社だと再認識するかもしれないですよ。
もし、ブラック判定して、考えても、考えても自分の力では抜け出せそうもないと思ったら、退職代行サービスなど専門のサービスを使うのも一つの手です。

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