3月に退職したら、5月に市役所から税金を払えという通知がきました。固定資産税・都市計画税はこの前払ったのにな、と思いながら封筒を開けると、結構な額にびっくり。
内容は、「あなたは、3月で会社を退職したから、いままで給与から天引きしていた住民税を払ってね。」というものでした。
確かに、言われてみれば、払わないといけないだろうな、というのはわかります。でも、退職して収入がない今、これだけの額の住民税の支出は厳しいぞ、というのが本音です。
私は蓄えからなんとか住民税を払えそうですが、退職したとき収入も貯金もない人は大変です。
いずれにせよ、寝耳に水、困った事態ですが、こういうときしか疑問がわかないのも人間の性でしょう。住民税の仕組みについて調べてみました。
住民税には、個人住民税と法人住民税がありますが、この記事では個人住民税を住民税として説明します。
住民税の仕組み
住民税は、正式名称を個人住民税と言い、中身は、都道府県税、市区町村税です。よく聞くのは、「市・県民税」の名称でしようか。正確には、東京都23区は市町村税でなく特別区民税です。
払わないといけない人たち
住民税を払わないといけない人、納税義務者は、次の人です。所得が一定以上あれば年令に関係なく払うことになります。
- 都道府県、市区町村に住んでいる人
- 住んでいなくても、事務所や家がある人
- 利子や株の配当を受けている人
住民税を収める時期
会社で働く人は、住民税は給料から天引きされます。
個人としては、住民税を取られた感があまりありません。意識しなですむのはいいのですが、納税意識も希薄になります。
わたしも、会社員時代は天引きされていましたが、「ああ、住民税が引かれているなあ、これがなければ〇〇が買えるのになあ」くらいの意識でした。
自営業やフリーランスなど給与から住民税を天引きされない人は、確定申告で所得税を納めます。それに基づき、6月頃に住民税の納付書が送られてきます。それを持ってコンビニに行きます。
住民税は、その年の1月1日に住んでいる都道府県や市町村に納めます。引っ越しても追いかけてきます。
均等割と所得割
均等割は住んでいる自治体で定められています。そこに住んでいれば、払わないといけないものです。
一定額以上の収入のある住民が、同じ額の住民税を払います。
年額、市町村民税が3500円、都府県民税が1500円というところですが、住んでいる自治体で若干違うようです。ちなみに私は、市民税3500円、県民税2000円でした。
所得割は、市町村民税6%、都道府県民税4%の合計10%が、前年の所得に応じて徴収されます。
計算式は、所得割額=(所得-必要経費-所得控除)×税率-税額控除、になります。
前年の所得に応じて徴収されます。ですから、税は遅れてやってきます。
所得が急に上がった人はいいですが、失業などで所得がなくなった人は困ります。
失業の時点で貯金がなければ大変です。一年間、前年の所得を元に徴収されますので、所得が急に下がった人は一年間苦しむことになります。
ICTも発達してきて、収入の把握もリアルタイムできれば、年の考え方を月にできないのでしょうか。そうすれば、1ヶ月乗り切ればよくなるのですが。
役所の仕組みだから、変えるのは難しいのでしょうね。それが、新型コロナウイルスのオンライン10万円給付のトラブルに、よく現れたような気がします。
住民税の天引き
会社員は、住民税が給与から天引きされます。これを特別徴収と呼びます。
個人事業主は、確定申告で決まった税額を一括か、年4回に分けてか収めます。これを普通徴収といいます。
サラリーをもらっていた頃は、これが「普通」と思っていたのですが、特別だったのですね。なにもしないで税金を収めるなんて「特別」なのでしょう。
前の年の収入に応じて、6月から翌年5月までの毎月の給与から徴収されます。徴収側から考えると10%という結構な額を文句も受けずに徴収できるのですから、良いシステムです。
節税はできませんが、やっかいな計算をやらずにすみますし、納税の手間も省けます。会社の経理担当者に感謝です。
年の途中で退職した場合
私のように年の途中で退職すると、特別徴収ができなくなります。そうすると、退職後の残りの住民税は市区町村から送られてくる納税通知書により収めることになります。
すぐに新しい会社に就職し、特別徴収を申し出た場合などは引き続き特別徴収ができるようです。
減免措置はないのか
住民税非課税世帯になると、住民税が免除されます。
単身世帯だと年収が100万円程度以下、3人世帯だと年収が200万円程度以下だと住民税が免除になるようです。
給与所得からの控除額などの計算は若干面倒くさいです。住んでいる自治体で仕組みも若干違いますので、疑問があれば市区町村の税の窓口に相談するのが一番手っ取り早いでしょう。
住民税非課税世帯になると、なんと、国民保険料が免除になる、高額医療費の負担が軽減される、NHK受信料が免除されるなどの優遇措置もあります。
生活保護を受けている人などは住民税免除です。
個人事業主の住民税
個人事業主の住民税は、所得税の税額で計算されます。この計算は、確定申告で決まります。
所得税は、1年間の収入から、必要経費などを引いた額に税率をかけて控除額を引いたものになります。
必要経費が多くかかると、所得税も住民税も少なくてすみそうです。会社員ではできない「経費で落とす」節税もできそうです。「事業主貸」という勘定上の処理方法もあります。
青色申告の場合、青色申告特別控除もありますので、青色申告のほうが住民税・所得税とも節税効果があります。
個人事業主は、所得税、住民税のほかにも、個人事業税や消費税なども払わないといけないので、単純にお得とはいえません。
個人事業主には、確定申告や経理など計算が複雑で本来の業務ではないので、なるべくサッサとすましたいところです。次のようなサービスもあります。
まとめ
あらためて調べると、所得に応じてかかる所得割の10%の住民税は結構な負担ですね。それだけ納付しているのだから、都道府県、市区町村の行政はしっかりしてほしいし、住民もしっかりと行政を視ていきたいですね。
住民税は市区町村が徴収しますので、徴収額や控除の内容も少しずつ違います。疑問が生じたら市区町村の担当窓口に問い合わせてみましょう。
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