資格試験に合格するために必要な3つのこと

日本の資格の数は、1000以上あるといわれています。医師免許や司法試験などのように超難関資格から、運転免許のように国民の多くが取得しているものまであります。

取得方法はペーパー試験のみのもの、ペーパー試験と実技、ペーパー試験と面接、座学のみ、座学とペーパー試験、座学と実技など多くの種類が存在します。
受験資格も、誰でも受けられるもの、年齢制限がかかっているもの、学歴や経験年数制限のあるものなどさまざまです。

求められる資格によってさまざまな受験資格、受験方法があります。その中で共通するのは、「試験」を受けて「合格」しなければ、資格を取得できないということです。

資格には、合格率10%に満たないものから、ほとんどの人が合格するものまでありますが、試験に合格するために重要なポイントがあります。

これを押さえれば資格を取れる

資格試験に合格するコツ、それは次の3つです。

  • 資格試験に申し込むこと
  • 資格試験を受けに行くこと
  • 合格するまで受験し続けること

この3つを実行できれば、医師資格のように試験に申し込むまでの壁が高すぎるもの、公務員試験のように年齢制限があるもの以外の資格は、ほとんど合格が見えてくるはずです。

仕事上必要でも合格率が10%程度の難関試験で、取得すれば仕事に活かせたり、資格手当を得られたりする試験程度の難易度の資格試験には十分活かせます。
司法試験のように人生をかけて取り組んでも、合格できない人が多いような超難関試験には、これに加えて別のアプローチも必要になってきます。

もちろん、自己啓発、自己開発などで自分を高めるために資格取得をする場合には、十分に使える方法です。

資格試験に申し込むこと

まず、申し込まなければ、なにも始まりません。

これは当たり前過ぎて、気にもかけない人もいますが、試験によっては、申し込みの書類を揃えるのが大変で、あきらめてしまう人がいるのも事実です。
試験に対する自信がない人は特に注意が必要で、揃える書類に手間がかかることを理由に受験をあきらめてしまう人もいます。

私が一級土木施工管理技士試験に申し込みをした時は、卒業した学校の卒業証明や必要な学科の履修証明の取り寄せ、経験年数の職場での証明書類の作成など手間がかかりました。

技術士という試験の申込みには経験内容や小論文を書く欄があります。この内容が口頭試験で諮問されるため、申込書を仕上げるのに考え抜かなければなりません。

このように、資格試験の申込みまでに手間と時間を要するものもありますので、時間の余裕を持って準備を進め、申し込まないがために資格試験を受けられないことがないようにしましょう。

資格試験を受けに行くこと

試験を申し込んでも、試験会場に行かない人もいます。体調が急に崩れたなど、行けない事情がある人もいるでしょうが、それ以外は必ず行くべきです。試験を受けなければ、絶対に合格しません。

試験会場に行かない人のほとんどの理由が、「今年は勉強しなかったから、受けに行くだけムダ」です。次回以降のための貴重な試験勉強と考えて、試験を受けるべきです。試験を受けないと、それこそ今までの勉強した時間と受験のためにかけた手間とお金がムダになります。

申し込んだのであれば、やむを得ない事情があるとき以外は必ず受験しましょう。

資格試験を受けに行かなければ、絶対に合格しませんが、次につなげるためには受験態度も重要です。それは、次の2項目です。

  • 最後まで試験会場にいること
  • 解答欄は最後まで記入すること

最後まで試験会場にいること

資格試験は、開始60分程度経つと試験官に申し出て、退席できるものが多いようです。
合格基準を楽にクリアできている自信がある人はいいでしょうが、合格がギリギリと考えられる人は、時間が余っても単純ミスの訂正に時間を使うべきです。

配られた試験問題を見て、「これはダメだ」と直感する場合も多々あります。そういう場合こそ、最後まで試験会場にいて、あがきましょう。それが次につながる時間の使い方です。

退席可能時間が過ぎると、試験官に申し出てさっさと帰ってしまう人に限って論文試験ならほとんど空欄の人が多いのです。試験会場までの往復の時間を含め、時間をムダに使っています。

資格試験の時間は、長くても好きな本を2~3冊読み終わる程度のものです。受験している時間は、あなたがそこの席にいて試験問題と向き合っていい時間です。だれにも邪魔されません。人生においてもこのような価値の時間は希少なので、時間を捨てることなく使い切るようにしましょう。

解答欄は最後まで記入すること

特に論文試験の場合、8割以上の行を埋めないと採点さえまともにしてもらえない場合があります。問題を見て、「合格できない」と直感した時は試験時間内のモチベーションを保つのは大変ですが、今後も挑戦する試験であれば、最後の行まで記入してください。

合格するまで受験し続けること

資格試験合格の真髄は、合格するまで受験し続けることです。

ほとんどの資格試験は、大学入試などと違い、何度でも受けられます。1回や2回の失敗にめげることなく、試験に合格するまで受け続ければ、必ず資格取得できます。

合格率10%の資格試験なら、10回目に合格すれば、平均なのですから胸を張って受験し続ければいいのです。

とは言っても、学習を続け自分自身も発展してかないと、特に難関試験には合格できないのは確かですので、日々の学習の中で少しでも前進していくことが大事になります。

それには、よく言われているモチベーションを保てばいいのでしょうか。資格試験の多くは、年1回しかありません。何年も長い間、モチベーションを保たなければならないのでしょうか。

モチベーションは長くは続きません。試験勉強にモチベーションが3ヶ月以上も続く人は5%にも満たないのではないでしょうか。1ヶ月続く人も少なく、多くの人は3日坊主ではないでしょうか。

モチベーションは、自分の気持ちの高揚状態を保つことです。それを長い間保てる人は、なにもしなくても資格試験に合格します。ほとんどの人はモチベーションが長期間保てないために、資格取得の学校に行ったり、セミナーを受講したりするわけです。

学校やセミナーは有効な手段ですが、これと並行して取り組まなければならないのが、資格勉強を習慣化することです。
長期間の試験勉強には家族の協力も必要です。勉強を習慣化すれば、家族の協力も得やすくなります。

習慣化とは無意識にその行動が取れるようになること、試験勉強であれば試験勉強を決められた時間、場面で開始することが当然で、そのことを苦痛とも思わないこと、です。

習慣化については、「成功のために行動を習慣化しよう」に説明してありますので、あわせてお読みください。

日常でうまく習慣化のルーティンを回せるようになると、苦労を感じないで合格できます。

習慣化とは少し違いますが、資格試験を年間行事に取り入れることもお勧めします。資格試験はその専門分野について体系だった知識を身に付けることができます。その意味では、学習深度が浅くて運が良くて合格するより、長い時間をかけても、体系だった知識を身に付けて合格するほうが実務に役立つのです。

多くの資格試験は1年に決められた時期に1回あります。1回で合格しようと意気込まないで、不合格しても次に向けて、どのように行動するかを頭に入れておくと、習慣化にもいい影響を与えます。

技術士試験のように、合格率が10%程度で、経験によっては複数の部門の資格を受けられるものは、長い間、試験に向き合うことができますので、特に年間行事として組み込む方法を使って自己を高めていくことが可能です。

そのほかに資格試験合格に役に立つこと

アンテナを張る

仕事でも上司から「アンテナを張れ」とよく言われていませんか。
資格試験勉強における「アンテナを張る」とは、過去問をとおして、試験の傾向やトレンドを身に着け、情報を得ていく、ということです。

過去問をとおして、と書きましたが、ベストは「試験を作る人の立場で考える」ことです。そこまで想像力が至らない人は、過去問に徹底的に取り組むとアンテナが張れるようになります。

過去問を使った効率的な試験勉強は「2割8割の法則を活かす方法」にまとめました。

アンテナを張れるようになると、普段見ている新聞や雑誌から試験に必要な情報が浮き出てきます。無意識にまわりの人が合格に必要な情報を与えてくれるようになります。

私は、受験1ヶ月前に同僚との雑談の中に出てきた話題が試験問題として出され、合格に結びついたことがありました。これもアンテナを張っていたおかげで、何気なく出た話題について私が突っ込んで質問し、知識を得た結果でした。

アンテナが張れるようになると、学習効率が何倍にも上がります。

直前が大切

試験日が近づいてきたら、試験開始時間からさかのぼって行動をシュミレーションすることを勧めます。例えば、こんな具合です。

  • 試験開始が○時◯分で、○時○分までに会場入りしなければならない。自分はその◯分前までに着席する。○時○分まで参考書を見ることが出来る。
  • その時間に会場に入るためには、◯時◯分の電車に乗る。所要時間は◯時間◯分。その時間は試験勉強に当てることができる。
  • 家から駅までは◯分かかるので、○時◯分には家を出る。そのためには、○時◯分に起きる。・・・

試験当日、試験地が遠い場合は前日入りも考えて前日からの自分の行動をシュミレートしておきます。試験直前の時間は日常とは違う時間で、余計な精神エネルギーを使う傾向があるため、シュミレーションすることで、エネルギーを試験に集中投下できます。

慣れてくると、1週間くらいは行動をシュミレートできるようになります。この時に重要なのは、どの時間でどのような学習をするか決めておくことです。
いわゆる、「山をかける」とは違うのですが、自分が不足していると思われる分野を、この期間に重点的に効率よく学習して合格ラインに近づける努力をします。

私の過去の例ですと、試験地までの移動時間が新幹線で1時間半程度ありましたので、その時間に時事的な知識を入れる計画にしました。それまでの1週間は、専門月刊誌などから話題性のある記事をコピーしました。それを新幹線に持ち込み、流し読みした中から出題され、合格に結びつきました。

これは、「アンテナを張る」との合せ技です。

まとめ

資格試験に合格する3つのポイントを説明しました。それは、
1 資格試験に申し込むこと
2 資格試験を受けに行くこと
3 合格するまで受験し続けること

でした。

この、当然とも考えられる3つのポイントを実行するためには、学習することを習慣化し、少しずつでも自己を高めることが重要です。

また、アンテナを張って話題を逃さにようにし、直前まで気を抜けなければ実力以上の点数を取ることも可能です。

資格試験勉強は、日常では使わないような知識や能力も要求されます。例えば字を書くことです。字を書くことは、脳を活性化させますので、あなたの脳力を高めてくれます。

また、声を出して参考書などを読むことは、記憶するのに効率的です。
「音読しよう、声を出して本を読む、効率的な勉強の方法」

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