小学生の頃は、みんな声を出して本を読む「音読」をやっていたと思います。
大人になっても、みなさん、声を出して本を読んでいますか?
本を読むには、人それぞれスタイルがあます。「速読」という技もあります。これは、少ない時間で多くの本を読むのに適した方法です。
普通の読み方は「黙読」といいます。美しい女性が、まどろみの中で本を読んでいる。こんなシーンは、速読でも音読でも似合いません。
一方、音読は、小学校の頃はやっていた?やらされていたものの、ほとんどの大人は続けていないでしょうか。
小さい子供には読み聞かせをします。読み聞かせを自分にやれば、勉強の効果が上がります。
働いている人は、学習の時間が非常に短くなっています。生活に音読を取り入れて、自分の脳を活性化させましょう。
音読の効果
音読は、速読のように多くの量の知識を詰め込むのには適していません。
しかし、音読には、速読や黙読にないメリットが多くあります。
それは、速読、黙読が目と脳を主に使うのに対して、音読は、目、脳、口、耳を使います。
目から入った文字情報を、脳が理解できる形に変換する。脳は話せる情報に変え、口を動かす。これが音読ですが、次の段階が重要です。
口から出た自分の声を耳で聞く、耳は脳に聴いた声を伝え、脳はそれを処理する。
さらに、「聴く」には、耳からだけでなく、自分の骨や細胞を伝わって脳にたどり着きます。
会議のテープ起こしや、SNS、You Tube製作などで自分の声を聴いたことがあると思います。
家族や友達と話している自分が知っている声と違っていませんか?
なにか気恥ずかしくないですか。でも、それが家族や友達が聴いている声です。
自分が聞いている自分の声は、耳からの声と、骨や細胞を伝わって脳にたどり着いた声との合成です。
この仕組が、音読を効果的な勉強法にしてくれます。
黙読より本をよく理解できる
黙読では、読み飛ばしている単語や文章がありますが、音読では、一語一語、句読点にも気を配って読み進めます。
黙読では、目からのインプット情報だけですが、音読では口から出ていくアウトプット情報も使いこなさないといけません。このことが、理解を深めます。
こうすることで、内容に集中でき、記憶に長く残りやすくなります。
脳が活性化する
目、脳、口、耳を使う音読は、脳の活性化が期待できます。
「口」を考えてみると、口を動かすためには、筋肉を使います。筋肉を使うことは、脳を活性化させるといわれています。
おしゃべり好きな人は、よくこの筋肉を使います。よく喋る人は認知症になりにくい、長生きが多いともいわれます。
でも、しゃべくりしまくる人は、あまり考えないで喋っている気がするときがあります。音読は、考えながら口を動かすので、脳の活性化効果は大きいと考えられます。
おしゃべりが苦手な人は、積極的に音読しましょう。
やる気が出てくる
やる気が出てくるのは、脳の活性化効果のひとつです。脳が活性化されると、何事にも前向きになり、生きがいをより感じるといわれます。
その他には、脳が活性化される効果は次のものがあります。いいことだらけですね。
- 笑顔が増える
- コミュニケーション力があがる
- 計算能力があがる
- 記憶力が向上する
- 集中力が増す
- 自分のコントロールができるようになる
しゃべりがスムーズになる
音読をすると、滑舌が良くなります。私もそうですが、滑舌が悪いと人から聞き返されたり、相手に言葉がちゃんと伝わっているのか不安になります。
滑舌の悪い原因には、しゃべるための筋肉、口の周りや舌の筋肉動きが悪いことが考えられますが、この筋肉のトレーニングに音読がなります。
口をできるだけ大きく動かして、一語一語テンポよく読むことを心がけて音読すると、より効果的です。
音読に使えそうな器具もある
音読は、大きな声でハキハキとすれば、より効果的です。しかし、家で大きな声で音読をするときは気を使いますよね。
次のような器具も出ています。これは、音読用でなく、家で歌を歌う時に声を小さくしてくれるものです。同じようなものはいろいろありますが、これは、自分の声を聴けるようになっているので、紹介させてもらいました。
私は、大きい声で気を使ってするより、文字を読むときに条件反射で、小声でも口が動くほうがいいと思います。
どこで音読するか
音読する場所は、本や新聞、タブレットを読むところ、どこでも、です。部屋、電車の中、職場、公園・・・
これに、風呂を加えたらどうでしょうか。ぬるいお湯でゆっくりした入浴は副交感神経を刺激してリラックス効果が得られるといわれています。これに音読を加えましょう。
私の場合、風呂の中ではブックオフで一気買いした中古本か、タブレットで読んでいます。防水ブックケースもありますが、使い方がめんどくさそうなので使っていません。
最近は、タブレットも防水があるので便利です。防水で、文字や白黒のコミックを読むのならKindleが最適解でしょう。
どれくらいの時間、読むか
10分ぐらい連続で音読することが効果的だといわれていますが、どうでもいいと思っています。
最初は1分でも2分でもいいいでしょうし、後で説明する目的によっては、30分、40分続けてもいいでしょう。
私は、資格試験勉強に音読を使います。このときは、40~50分音読をして、口が疲れてきたら勉強終わり、なんてことをしています。
継続は力といいます。毎日、音読を続ければ、効果も素晴らしいことになりますが、そこまで自分を追い詰める必要もありません。
音読が習慣化されるのが一番でしょうが、なかなか難しいですよね。あまり、生真面目に取り組まなくて、文字を目で追う時にブツブツ小声を出す、あるいは声を出さないでも口を動かす。これができるようになれば、最高です。
一人のときはできるけど、電車の中や会社では人目もあります。その時にお勧めしたいのが、「マスクの中で音読」です。
新型コロナウイルスの影響もあって、具合が悪くなくても、マスクをすることは市民権を得ました。マスクの中は、笑っていようと、アカンベーをしようと自由なのです。
これを使って、マスクの中で声を出さない音読をしましょう。
マスクの中で自由を得る方法は「マスクをして、幸せになるたった一つの方法」まで
どんなシーンで役立つか
音読が脳の活性化になって素晴らしいことはわかっても、どのような場面で役に立つのでしょうか。人間は目的がないと、なかなか動きませんから、音読で効果がある目的を考えてみましょう。
資格試験勉強
働く大人なら、資格は自分の価値を高めるためにも、自己実現の可能性を広げるためにも重要な位置を占めています。
しかし、それなりの資格試験は、それなりの難しさです。それに、今まで知らない知識や考え方を頭に詰め込む必要があります。
資格試験勉強には、音読を取り入れると効果的です。私も結構、難しい資格をいくつか取っていますが、音読が役に立ってくれました。その時は気付かなくても、頭への知識の入り方が違うと感じます。
新聞、特に新しいカテゴリー
ニュースで新しい話題が出てきたりすると、説明欄が設けられていることがあります。
あの説明欄は、ほとんどの場合、一回読んだだけでは理解できません。
こういうとき、一回だけ音読するのが効果的です。そのとき、理解したか、していないか、判断する必要はありません。後々で重要な話題なら、再び出てきたとき思い出しますし、どうでも良い話題なら記憶から消えていくだけです。
人生の指針になる本
自分で、この本は!という本は音読することをお勧めします。頭に文字を刻み込む必要があれば、ぜひ試して下さい。
西部劇で、家族で聖書を読むシーン、あのようなイメージでしょうか。今は、家族で・・というシーンはなかなかないでしょうが。
気をつけてほしいのは、どうでもいい、品のない本を音読で読んでほしくないことです。記憶に残りやすいということは、いいことも、悪いことも残ってしまいます。
難しいけれど理解する必要のある文章
資格試験勉強も同じですが、働いていると、これは覚えないといけない、理解しないと仕事が進まない本や資料にぶつかることがあります。
その時は、音読しましょう。
私は、音読は理解してもしなくても、一度すればいいや、と考える面倒くさがりですが、このときは別です。
理解しないといけない文章を何度か音読してみる。それでも分からなければ、関連の単語などをググって調べる、それを繰り返す。この方法でたいてい頭に入るはずです。
重要なメール、SNS
重要なメールの返信や、SNSの投稿などは、めんどうくさくても、音読で読み直したほうがいいです。間違いが見つけやすくなります。
間違いが多かったり、あまりにも文章がつながらないメールなどは、読む人に対して失礼です。
まとめ
言葉には言葉そのものが保つ力、言霊(ことだま)があると日本ではいわれています。いい言葉を発すれば、いいことが、悪い言葉を発すれば、悪いことを引き寄せる。単純にいえばそういうことです。
私は、音読はこの「言霊」のちからも借りて、学習効率を高めることができると信じています。
音読は、小さいときはしていたけれど、大人になったら、しなくなった人がほとんどでしょう。大人になると、大声で本を読むことは、気恥ずかしくなってしまいます。
今は、新型コロナウイルス対策で大変なときです。マスクは、元気なときも、かけ続けないといけないでしょう。
これを逆手に取って、マスクの中で、音なし音読を始めましょう。
それが、あなたに新しい世界を開いてくれるかもしれません。
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