換気をよくして、ソーシャルディスタンスをとれる業種が生き残る
ソーシャルディスタンスとは、人と人との距離を取ることです。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、この考えが広がっています。
これまで、三密を前提に成り立っていた業種も多いので、新型コロナウイルスの終息が長引くようなら大変なことになりそうです。
お店が消えたり、その業種事態が成り立たなくなってしまうと、そこで働く人にも大きな影響が出てきます。
厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症について」を示しています。
ソーシャルディスタンスとは
新型コロナウイルスばかりではないのですが、感染拡大を防ぐために、人と人との距離を取りましょう、ということです。
新型コロナウイルスの場合は、飛沫感染が原因の一つとされていますので、これを防ぐ方法がソーシャルディスタンスです。
ソーシャルディスタンスを守れば、新型コロナウイルスの感染は防げるのでしょうか。
本題に入る前に、新型コロナウイルスが広がる仕組みを再認識しましょう。
飛沫感染と接触感染
新型コロナウイルスは、飛沫感染と接触感染が主な感染経路と言われています。
飛沫感染
感染者からのセキやくしゃみで放出されたウイルスを吸い込んで感染
セキやくしゃみは1~数メートルしか飛ばない、とされる。
接触感染
感染者の皮膚や、感染者が触ったものを触ることでの感染
三密とはどう違うのか
三密とは、
- 密閉
- 密集
- 密接
のことで、これを避けましょう。
三つの密があって、その重なるところが最も危なくて、でも、その重なるところだけを避けても感染することがあるので・・・・・。わかりにくいです。
ソーシャルディスタンスを守れば、密集と密接をクリアできますので、
「換気をよくして、ソーシャルディスタンスを守りましょう。」
と言い換えたほうが、具体的にわかりやすいですね。
ソーシャルディスタンスを守れば感染は防げるのか
ソーシャルディスタンスを取ることは新型コロナウイルスの飛沫による感染防止には有効です。
しかし、新型コロナウイルスでは、セキやくしゃみの飛沫感染の他に、エアロゾル感染の可能性も指摘されています。新型コロナウイルスではあてはまらない「空気感染」というのもあります。
・「エアロゾル感染」
「飛沫感染」は、セキやくしゃみが1~数メートルしか飛ばない、この範囲外なら感染しない、というもの。それ対して、細かい飛沫になり、すぐには落下せず、空気中に数時間浮き続け、それを吸い込んで感染するものです。
この感染経路を認めると、パニックになるため、国は正式に認めていません。
しかし、新型コロナウイルス特有の肺炎のCTの影が、粒子が細かく肺の奥までウイルスが侵入し定着するため、と言われているので、結構な感染原因になっているのかもしれません。これを防ぐには、「換気」で対応するしかなさそうです。
・「空気感染」
最も感染力の強いもので、空気中にウイルスがとどまり、感染します。これは、バイオハザードの世界ですので、新型コロナウイルスでこの感染はないと思われます。
その他にも接触感染に注意しなければなりません。
アフターコロナの世界は変わるのか
新型コロナウイルスが一段落したあと、日本はどう変わっているのでしょうか。
私は、「あまり変わらない」と思っています。しかし、やり方が「大きく変わっていく」ものも出てきます。
工夫でソーシャルディスタンスを確保できる業種はそれほど変わらないでしょう。
しかし、いまのままでは、ソーシャルディスタンスを確保できない業種は、変わらざるを得ないと思います。
やり方は変わるが、その事業形態は変わらないのでは、というのが私の考えで、アフターコロナでも産業革命の前と後のような変化はないでしょう。
変わり方も、ソーシャルディスタンスをいかに確保するか、になりそうです。
ほとんど変わらないもの
安倍総理は、緊急事態宣言の中で「戦後最大」という言葉を使いました。
東日本大震災の死者は20,000人弱でした。それ以上の厄害になるといっているわけです。
2020年4月末で死者は東日本大震災より二桁少ない状況です。最終的にこれから3桁増えて死者が10万人を超えたとしても、全人口の0.01%くらいです。
日本政府は、経済と感染を天秤にかけて舵取りをやっています。国民の協力ももらいながら、なんとか、抑え込んでいけるのではないでしょうか。
アフターコロナの世界でも次の業種では、ほとんど影響はないと思われます。もちろん、仕事内容は新型コロナウイルスに対応したものになっていくでしょうが。
- 政治家
- 公務員やその外郭団体
- 医師や弁護士などの士業
- 公共事業に強く依存する業種
- 建築など人間生活に必要なハード整備をする業種
大きく変わっていくもの
1918年から流行したスペイン風邪は、感染が3年間続いたと言われます。新型コロナウイルスも感染が毎年繰り返すと考える専門家は多くいます。
昔は、ソーシャルディスタンスの考えもなかったでしょうから、ビフォアアフターでは社会生活は変わらなかったのでしょう。
しかし、今回はそうはいきません。理由は東京オリンピック・パラリンピックです。いったん収まっても、「換気をよくして、ソーシャルディスタンスを守る」ことを徹底しないと、また年を明けた頃から患者が増えだして、再延期、などという可能性も十分あるわけです。
感染拡大が収まった頃から、再感染拡大防止に向けて、この動きは大きくなっていくでしょう。
大きく変わっていく業種、それは、三密を前提として成り立っている業種です。そこに大きく関わっている業種も含まれます。
- 飲食店
- 対面のサービス業
- ライブハウスなど三密を前提とした業種
- 同じ器具を使うスポーツクラブなど
- コンサート、映画館
- 農業・漁業
仕事でなくても、次のものは大きく影響を受けそうです
- セミナーや習い事等への参加
- 立食パーティなどへの参加
なにがどう変わる
大きく変わっていくものの中で、気になるものを説明していきましょう。
飲食店
隣の人と肩が触れ合ってとか、狭いテーブルで相席とかはできなくなるのではないでしょうか。
ソーシャルディスタンスは確保できなくても、人と人の間を少し開けて、その間にアクリルの仕切板をする、というのは、すぐできそうです。
この結果どうなるか。お店の中でお客さんが座る椅子の数が少なくなります。そうなると、回転率を上げるか、客単価を上げるしか生き残れなくなります。
これもなかなか難しいので、土地単価の安い地方へ出し直す店も出てきそうです。どんどん地方へ行ってしまうと、都会の土地単価は下がるかもしれませんが。
もう一つは、テークアウトに特化していく方法です。
会議室需要も減ってくるでしょうから、会議室改造の「お一人様昼食どころ」、みたいなのが出てくるかも。そことテークアウトを結びつければ、他への展開もあるかもしれません。
例えば、家ではテレワークがしにくい人用に、会議室を改造してサテライトオフィスとかはどうでしょう。
対人のサービス業
特に接触は必須の美容院、整体、リハビリテーションなどは対策が難しいですね。お客さんを触らないと仕事にならないですから。ソーシャルディスタンスを取ること自体が無理です。
ここでは、資格ビジネスが見えてきます。「接客業感染防止士」みたいな。
自分が感染していないことは当然ですが、客から客、器具から客への感染を防止する知識と実践力を持ち、年に2回は知識を更新しています、的なことです。
スポーツクラブも器具の間を開けて設置し、こういう資格がインストラクターには必要かな。
ライブハウス
一時期、新型コロナウイルスの感染の元凶のように言われたライブハウス。
三密が全くないライブハウスは考えられますか?
でも、何らかの対応をしていかないと、生き残れないのは明らかです。
ライブハウスは、アーティストや自分たちで演奏する音楽を軸に、コミュニケーションをする場所です。決して若者たちばかりの場所ではありません。
私は、音楽は人生を豊かにするもの、それを共有する場の一つがライブハウスだと思っています。何より、楽しいですしね。
では、生き残るには、どうすればいいか
現在の店舗であっても、三密を避けるような椅子配置とか、運営は当然の処置になります。最低限のソーシャルディスタンスの確保です。
それから、これまでのライブハウスのイメージで「空気悪いなあ」というものかありました。これがライブハウスの雰囲気ではあったのですが、これから脱却しないと、アフターコロナで再スタートして市民権を得るのは難しいでしょう。
そのためには、例えば、床下からエアコンで温度調整した外気を取り入れ、室内循環をしないで、そのまま外に出すような工夫が必要になるでしょう。
もう一つの考え方は、土地単価の安い地方部で三密を避け、コストをかけないでも換気も確保できる、新しいライブハウススタイルを模索していくことです。
それにしても、建築屋さん、空調屋さんは仕事が増えそうですね。
農業・漁業
意外と影響を受けそうなのがこの分野です。なぜなら、日本人の食形態が変わりそうだからです。単純に外食が減って家食が増えます。飲み会が減ります。ソーシャルディスタンスを確保した食の形態に変わっていきます。家族はしょうがないですが。
そうすると、ホテルや料亭に卸していたような材料単価が高かったものがあまり売れなくなります。加えて食品ロスが相当減ります。
これまで料亭に出していた高級食材を家庭で消費するような販路を広げても、食品ロスも減りますから、そこまでは売れません。トロが普通に我が家の食卓に上ってくるようになればうれしいですけどね。
栽培する農作物、採る魚の種類など考えていかないとまずいかもしれません。
セミナーや習い事
いろいろなセミナーや習い事が盛んです。
会社であれば、人的資源を育てるためには、研修やセミナーへの投資は必須ですし、個人でも自己啓発やキャリアアップ、あるいは趣味のためにセミナーや習い事へ参加する人も多くなっています。
つまり、ほとんどのセミナーや習い事が対面式であったり、多くの人が集まる形式なので、ソーシャルディスタンスを確保できていないわけです。
新型コロナウイルス感染防止のために、休止されているものがほとんどになっています。
例外として、当初からオンラインセミナー形式で開催しているところもあり、オフライン形式が軒並み休止の影響もあってか、予定はすべて満員のセミナーもあるようです。
この業種は、すぐにでもオンラインへ転換を図ることにより、事業を再開できる手立てがあります。
多くの家庭でWiFiも使えるようになりました。どんどんオンラインへ移行を図らないと存続さえも危なくなってきそうです。
このブログは、ワードプレスで作っています。私は自己学習ですが、ここまで動かせるようになるまで、ずいぶん時間がかかりました。
ワードプレスは、ブログを活用したいときには必須と言われています。
さっさとスキルを習得して、次の段階に移りたいときには、下のようなオンラインでの習得が効率的でいいのかもしれません。
まとめ
これまでの方法でソーシャルディスタンスを確保できない業種は、インターネット環境を使って、変わっていかないと生き残っていくことも難しいです。
スペイン風邪の例から、2~3年、別の業種で食いつなぎ、完全に新型コロナウイルスの驚異がなくなってから復帰する、という戦略もあります。かなり難しいですが。
事業の継続については、これから、国や地方自治体からも補助金等が出るでしょうから、それで対応しながら、なんとか継続して、来たるべき日に備える、というのが現実的な戦略になるのでしょうか。
もちろん、これを機に新たな道を歩き始めるのも一つの方法です。
少なくとも、セミナーのように、すでに環境もアプリもあり、ソーシャルディスタンスを確保できるものは、対応していく必要があります。
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